Q : 私は会社に入社以来ずっと海外の支社勤務が続いており、日本に帰るのは年に数回で、しかも3〜4日しかありません。今度、遺言書を作りたいと思っているのですが、こんな状況なので外国で作らざるを得ません。何か注意点などあれば教えてください。


 A : 自筆証書遺言書を作るのであれば、法律の規定する要件(①全文を自書し、②日付を入れ、③署名・押印する)さえ満たしていれば、たとえそれが船の上であろうと空の上であろうと、もちろん外国であろうとその効力は変わりません。  ただ、自筆証書遺言書の弱点である偽造・変造・破棄・隠匿・紛失等の危険は国内にいる場合よりも更に高まる可能性はあるでしょう。

 そういう意味からも、国外で作るのであれば尚更、多少の手間はかかっても安全性の高い『公正証書遺言書』の作成をお勧めします。
 とはいえ、外国に日本の公証人が事務所を開いている訳もありませんし、いくら公証人が病気の人などに対しては出張をしてくれるからといって外国まで呼び出すわけにもいきませんよね?
 そこで、国外で公正証書遺言書を作る(秘密証書遺言書の場合も同様)場合には、その国の主要都市にある日本の領事が公証人の職務を行うことになっている(民法984条)ので、領事に依頼して作ることになります。

 なお、船に乗船中に作る場合には、船長又は事務員1人及び証人2人以上の立会いのもとで遺言書を作ることが出来ます(『船舶隔絶地遺言』民法978条、980条)が、こちらは船を下りた後、普通方式での遺言書を作ることができるようになってから6ヶ月間生存していると、その効力が失われます(民法983条)から、新たに作り直す必要があります。 
 また、病気その他により死の危険が迫っているような場合には『死亡危急時遺言』(民法976条)という方法もあります。こちらは証人が3人以上必要なことに加え、遺言の日から20日以内に家庭裁判所に『確認』を得るなどの手続が必要ですが、船舶に乗船中だとか外国にいるなどの場所的な要件は無く、どこにいてもできます(普通方式の遺言書を作ることができるようになってから6ヶ月間生存すると効力を失う点は船舶隔絶地遺言と同じです)。

 最後に、遺言作成時に居住している国の法律に従って遺言書を作るということも可能です。  しかし、いちいちその国の法律をひも解いて遺言の条件を洩らさず理解したうえで、間違いなく、確実に遺言書を作るのは大変困難なことですし、そもそもそれが出来たとしても、いざその遺言書が効力を持つようになったときに今度はそれを日本の法律に照らしてその内容が本当に有効なのか否かが争われる可能性があるなど、何かと不安がつきまといますから、あまり良い方法とは思えません。

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