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遺産分割とは
遺産分割とは、被相続人の死亡により共有状態にあった相続財産を分割して、それぞれの単独所有として受け継ぐことです。
遺産分割協議の自由
遺産分割は、法定相続分による相続であっても相続分の指定がある場合であっても、現実に相続人全員の合意があれば、それらにとらわれることなく、その内容を自由に決めることが出来ます。
また、遺産分割には期限がありませんから、いつでも行うことができますが、現実問題としては税法上、相続の開始から4ヶ月以内に被相続人の準確定申告をし、10ヶ月以内に相続税の申告・納付(相続税が係る場合)をしなければならなかったり、或いは相続人自身の死亡により新たな相続が開始してしい、相続関係が更にややこしくなり手続きが一層困難になる可能性があるため、なるべく早めに済ませておいた方がいいのは確かです。
実際の分割
さて、相続財産が全て、現金であればそれを分割するのは簡単です。しかし、現実はそうそう相続人の思うようには行きません。場合によってはむしろ現金よりも不動産や書画・骨董などの方がはるかに高価な場合もあるでしょう。とはいえ、分筆により所有権を分けることができる不動産ならまだしも、書画・骨董を相続人で切り分けるわけにはいきませんよね。
そこで、現実には相続財産の性質に応じて
①現物分割
②代償分割
③換価分割
という、三つの方法を組み合わせた形で遺産の分割は行われています。 では、以下にそれぞれのもう少し詳しい内容を書いておきます。
①の現物分割はそのまま読んだ通りで、遺産をあるがままの形で分割するものです。
②の代償分割とは、不動産などの現物を丸々一人の相続人に相続させた上で、その相続人の相続分を超える部分に関しては金銭で清算してもらうというものです。
③の換価分割は、遺産を売却し、現金化したものを相続分に応じて分けるというものです。
因みに、遺産分割における遺産(価額)の評価は、『遺産分割時の評価(価額)を基準とする』という判例が多くを占めていますから、相続開始時には高かった土地が、遺産分割時に相当安くなっていたという場合では、その安くなった価額を基準に考えれば良い訳ですから、遺産分割時における公平は保たれることになっています。
遺産分割協議がまとまらなかった場合(調停と審判)
遺産分割に関して、各相続人の意見がまとまらず、どうしても合意が出来ないときには家庭裁判所に調停、或いは審判の申し立てをすることになります。
調停とは、一人の家事審判官(裁判官)と調停委員2人で構成される調停委員会が当事者の間に入り、当事者の話を十分に聞いた上で法律的な助言を与え、合意に導くというもので、基本はあくまでも当事者間の話し合いによります。
話し合いによる合意ですから、一人でも合意に至らない相続人がいれば、成立はしませんが、もし、調停が合意に達し、その内容が調停調書に記載されると、その内容は当事者を法的にも拘束する確定判決と同様の効果を持ちますから、以後はこの調停調書による強制執行も可能になります。
一方、審判とは遺産分割調停がまとまらなかった場合に、調停の申し立てがあった時に同時に審判の申し立てがあったものとみなされて移行するもので、今度は裁判官が様々な事情を考慮した上でそれぞれの相続分を決めるという手続きです。
なお、審判に不服がある場合には、即時抗告という不服申立てをすることができます。
(裁判に関わる部分に関しては、弁護士さんの独占的な職分になります)
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