一般に契約書を作ったり、相続において相続人間で遺産分割協議書を作成し取り交わすという場合には”実印”を使用し、印鑑証明を添付すること等が要求されていますが、(自筆証書)遺言書における『押印』もまた、同様に実印での押印が要求されているのでしょうか?
 法律は単に『押印』とだけ規定しており、どの様な印鑑を用いるべきかについては触れていないことから、他の契約書などと同様に”重要な文書”ではありますが、遺言書においては特に実印などにこだわる必要はありません。(300円? くらいの三文判でも有効です)

 では、遺言書に印鑑ではなく、本人の指印(拇印等)が押されていた場合には、どうでしょう?  その遺言書は有効なものとして認められるのでしょうか?

 このケースでは、ある女性が自分と同居している娘の一人(甲)に全財産を贈与する旨及び、日付・氏名も自書した上で氏名の下に拇印を捺すという形で遺言書が作られていました。 女性の死亡後、財産を貰えなかった息子の一人(乙)が「遺言書が書かれた当時、女性(母)は意思能力を欠いていたのだから、証書は偽造されたものであり、もし仮に偽造されたものでなかったとしても、拇印しか捺されていないのは(自筆証書遺言の要件を欠き)無効だ」として訴えを提起しましたが、1・2審では乙の請求は棄却されたので、更に上告したというものです。


 最高裁判所は「自筆証書遺言の方式としての押印としては、遺言者が印章に代えて拇印その他の指頭に墨や朱肉などをつけて押捺すること(指印)をもって足りるものと解するのが正当である」として、指印による『押印』を認めました。(甲の勝ち。乙の負け)

 これ以前の下級審での判例は必ずしも一致しておらず、指印(拇印)を認めるもの、それを否定するものと判断は確定していませんでしたが、この最高裁判所の判決によってこの問題は確定したので、以後は自筆証書遺言書作成に際して、ハンコが見付からない(?)時には、安心して拇印を捺しておけば良いということです。

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